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明海大学不動産鑑定士実務修習Q&A

実務修習を受けるにあたって、不動産鑑定士論文試験合格者は、鑑定業者修習と大学修習の二つの選択肢があり、どちらかを選択し、修了考査等を受けることになります。

ここでは、本学が運営する大学修習の概要・特徴をQ&Aでお知らせいたします。

 Q1 大学修習はどこで行われるのですか?

Ans.1

基本的に明海大学サテライトキャンパスで行います。
東京都新宿区西新宿1-13-8 朝日新宿ビル9階
JR「新宿」駅西口至近(下記写真参照)

明海大学サテライトキャンパス

Q2 大学修習ではどのような不動産鑑定士を育成するのですか?

Ans.2

不動産鑑定士の資格を取得とともに時代のニーズに即した問題解決能力を有し、広範な関係者への説明責任を果たせるソリューション型高度専門職業人(不動産鑑定士)の育成を行います。

理由:

不動産業界にも急速にAIが普及しはじめ、反復継続的な作業はいずれ消滅することと想定されます。そのような環境で、生き残ることができ、社会的な役割を十分果たせる人材を育成する必要があります。本学は、日本唯一の不動産学部を創設して約30年となります。この間の研究・教育の蓄積を不動産鑑定士の育成に直結し、指導鑑定士と不動産学部の専任教員が連携し、手厚い教育指導体制を構築してきました。

民間部門は、不動産証券化、CRE(企業不動産戦略)等の比較的新しい課題に対応できる不動産鑑定士が求められています。このような人材の育成は、従来の高度な鑑定評価能力に加えて、不動産ファイナンス、不動産会計・財務管理、建築学等の専門的知見、投資家等の関係者へのロジカルな説明能力が不可欠です。

公的部門では、納税者への説明責任をきちんと履行できる不動産評価専門職が求められ、課税を目的とした大量評価(mass appraisal)の知見を身に着けるため、統計学の基礎を学ぶ必要もあります。

不動産研究センターでは、大学院不動産学研究科と連携し、鑑定評価実務と不動産学を統合的に学べる環境です。さらに、過去の修了考査の合格実績が示すとおり、資格取得という重要課題の実現の指導について(一財)日本不動産研究所OBで現在も鑑定評価を行っている複数の不動産鑑定士から、鑑定実務を着実に身に着けられるように指導をおこなっております。

Q3 大学修習にはどのような人たちがどのような環境で修習を受けていらっしゃいますか?

Ans.3

入学者の大多数は、企業等の勤務者です。夜間及び週末を実地演習の課題に取り組んでいます。勤務先企業の業種として、製造業、金融、運輸、商業、情報、不動産業等多岐にわたっています。公務員では、国有財産管理、用地補償、課税評価の実務に携わる方等が多いです。資格者では、公認会計士、税理士、建築士等の方々もいます。また、不動産鑑定業者に勤務する方もおり、充実した修習環境を求めて、本学の大学修習を選択していらっしゃる方もいます。

なお、近年の入学者の所属先は、以下のとおりです。

【受け入れ修習生の主な所属先、順不同】

三菱UFJ信託銀行、みずほ信託銀行、あおぞら銀行、日本生命、三井物産、住友商事、JR東日本、東京電力、森ビル、大和証券、日本総合研究所、久米設計、国税庁、東京都、千葉県、横浜市、UR都市機構、その他

Q4 実地修習の進め方はどのように行っていますか?

Ans.4

始めに、物件の調査について指導鑑定士及び建物管理者等が付き添い基本的な内容の説明と調査について行います。
その後、実地演習の各案件毎、鑑定会議を行い、発表・議論を行い、不動産鑑定評価書の作成を行い各修習生の評価書の内容を再度検討する方法を採用しております。

理由:

鑑定会議を通じ、多くの気づきを得ることができます。結果的に鑑定評価の深い理解を自然に獲得することが可能です。
鑑定会議は、大学のゼミの討論に似ており、修習生は毎回発言を求められます。そのため発表準備を行い疑問点を抽出できること、会議で発表する訓練を積み重ね、スムーズに受け答えができるようになり、依頼者への不動産鑑定評価書の説明ができるようになり、修了考査の面接の準備にもつながります。
なお、この鑑定会議には、指導役として担当指導鑑定士以外の指導鑑定士も対応します。このことにより、多面的な指導を受けることができ、視野を広げることができます。

下記写真は、市川正美指導鑑定士による実地演習の授業風景

市川正美指導鑑定士による実地演習の授業風景

Q5 修習で求められる修習生の心構えは何ですか。

Ans.5

原則以下の2点が強く求められます。

  1. 「スケジュール管理の徹底」
  2. 「自分の頭で考えることの徹底」

理由:

公益社団法人 日本不動産鑑定士協会連合会においては、実際の実務と遜色ない不動産鑑定評価書の提出と依頼者への説明が適切にできることを不動産鑑定士資格取得の要件としております。したがって、期限厳守と内容の充実が必要となります。
さらに、不動産鑑定評価書は、暗記だけでクリアできる問題ではないこと、将来にわたって複雑な案件が生じてくること等から応用能力が必要となります。修了考査において、冷静に対応するには、普段から鑑定評価について、高い問題意識を持って、自分なりの問題解決方法を実践する訓練が不可欠です。鑑定会議では、各修習生がなぜそのような結論を得たのか、その理由・根拠は何か、説得性の高い説明ができるよう、指導鑑定士が導きます。本学の修習では、鑑定会議や専任教員の講義等を通じて、このような訓練を行います。また、不動産鑑定士資格取得後の仕事の進め方もこのことが重要となってきます。実際の実務では、一つとして同じ案件はありません。常に新しい視点から、真剣に考え、高度専門職業人としての結論を出すことが求められ、さらにそれを論理的に説明する力が問われるのです。

Q6 大学修習における教員の指導体制はどのようになっているのですか?

Ans.6

大学修習の教員の指導体制は、指導鑑定士と専任教員が密に連携を行っていることが特徴です。
即ち、幅広くかつ手厚い教育指導、担当する指導鑑定士・専任教員の全員が、日本の不動産鑑定評価の最高峰である(一財)日本不動産研究所出身の不動産鑑定士です。
指導鑑定士が実地演習の全般を担当し、専任教員が当センターの運営全般、特別講義、研究会・研修会・交流会の開催等を担当します。

以下、当センターの活動に従事する主な専任教員です。

・不動産学部長 教授 中城康彦

プロフィール:http://meikai-re.jp/teacher/14/

・不動産研究センター長 教授 山本 卓

プロフィール:http://meikai-re.jp/teacher/6/

・不動産学部 准教授 小松広明

プロフィール:http://meikai-re.jp/teacher/7/

Q7 大学修習における専任教員の授業とはどのようなものですか?

Ans.7

本学の大学修習では指導鑑定士に加え、複数の不動産鑑定士資格を有した専任教員も教育指導に参加します。

専任教員はそれぞれの専門分野の見地からの特別講義等に従事しております。このように指導鑑定士と専任教員の二重の指導体制をとることにより、鑑定評価書を作成するスキルに加え、各種の不動産問題を解決できる力を身に着けるようにします。

現在、不動産鑑定士はコンサルティング能力も求められていますが、この養成を意識した教育を行っております。

本学の実務修習生は、大学院不動産学研究科の授業を聴講することが可能で、平日夜間に浦安キャンパスにて開講されているので、仕事帰りに気軽に参加することができます。聴講できる科目の一例を示せば以下のようなものがあります。このような科目を聴講することにより、これからの時代に不可欠となる不動産鑑定士の総合的能力(鑑定評価能力、コンサルティング能力、調査研究能力)を身に着けることが可能となります。

・不動産企画    ・経営特論    ・不動産経済学特論 ・不動産計量分析特論

・都市経済分析特論 ・不動産金融特論 ・不動産投資特論  ・不動産公法特論

・環境法特論    ・防災計画特論  ・都市空間情報分析特論

・都市計画特論   ・不動産政策特論 ・都市空間デザイン特論

・不動産私法特論  ・不動産取引法特論・都市空間マネジメント特論

・不動産会計特論

 

※それぞれの科目の詳細は、以下のシラバスのサイトで確認できます。
明海大学シラバス:http://syllabus.meikai.sugawara-p.co.jp/web/show.php
本学の実務修習生は浦安キャンパスにある大学図書館も利用可能です。不動産分野の専門図書、資料が充実しております。図書貸出、個室利用のサービスを利用することも可能です。

大学図書館の全景

大学図書館の全景

Q8 CADも学べるのですか?

Ans.8

CADは、評価対象地の建築可能な建物を正確に想定する重要なツールです。
大都市圏で一定規模以上の不動産を鑑定評価する場合、CAD無しでは適切な標準的使用及び最有効使用の判定、さらには開発法や収益還元法の適用が困難となります。
この作業の精度が、鑑定評価額の信頼性を大きく左右します。CAD研修は、実務修習の規定上、大学修習のみに義務付けられていることもありますが、建築士が作成した図面等も必ずしも正確とは言えず修正をお願いするにあたっても建築の知識として自分でCADを行うことが必要です。本学では不動産鑑定士に必要なスキルとして、積極的な指導を行っております。

Q9私は大学3年生で、論文試験に合格しました。学生でも大学修習を受けることができますか?

Ans.9

論文試験の3年在学合格、おめでとうございます。
もちろん学生(大学院生含む)の方でも、本学の大学修習を受けることは可能です。
1年コースを選択すれば、学部卒業と同時に不動産鑑定士資格を取得することができます。大学在学中(特に3年次)に論文試験に合格し、そのまま大学修習を受けることは、今後の職業人生を考えた場合に多くのメリットがあります。
第1に就職活動をかなり有利に進めることができます。大手鑑定機関、大手デベロッパー、金融機関等幅広い選択肢が可能となります。
第2に、修習を通じて稀少価値の高い人脈を築くことができます。
当センターには日本を代表する企業のビジネスパーソンが集います。このような人脈は、就職後に携わる大きな仕事の成功を導いてくれると思います。

Q10 修了後のフォロー体制はどうですか?

Ans.10

近年の本学の修了考査の合格率は100%です。
しかし、不動産鑑定士資格取得はあくまでも入り口であり、通過点の一つに過ぎません。資格取得後も多くの方は、現職を継続されますが、不動産鑑定士としてさらに成長して頂くため、数々の研修会、研究会の機会を提供しております。
さらに、産学官のネットワークを構築し、それぞれの方々が仕事に活かせるように交流会も定期的に開催しております。また、本学は日本で唯一の不動産学博士を授与する研究教育機関でもあります。将来、研究職や国際的な業務に従事する希望をお持ちの方の学位取得のサポートも行います。

下記写真は交流会の一コマです。

交流会の一コマ

Q11 近年修了考査が難化しており不安です。修了考査に向けた心構えを教えて下さい。

Ans.11

不動産鑑定士の最終関門である修了考査ですが、ご案内の通り最近難化しています。修了考査は、論文式試験と異なり、高度専門職業人としての判断力や応用力が試されます。修習期間中に丁寧に案件に向き合うことが必要です。

修了考査のうち口述考査の出来が合否を左右します。実際に取り組んだ案件に基づき質問がされます。質問は単に専門知識を問うものではなく、「なぜそのような判断をしたのですか?」「その判断の根拠は何ですか?」「他にどのような考え方がありますか?」等の問が矢継ぎ早に投げかけられます。漫然と修習に参加した場合に、これらの質問に対応することは容易ではなく、普段から実務上のいろいろな論点を意識しながら、評価作業を進めることが求められます。

本学の実地演習の特徴は、指導鑑定士と修習生との対話や、修習生どうしのデスカッションを通じて、無理なく高度専門職業人に求められる「考える力」「問題解決力」「応用力」を養成することです。このような教育方針は、修了考査にも活かされます。修了考査合格への楽な道はありません。一つ一つの案件を、愚直に取り組むことが修了考査合格への近道です。

なお、当センターでは、修了考査前に、教員スタッフや修了生による面接指導も行っており、役に立ったと毎回好評を得ています(面接指導は無料です)。

Q12 今年不動産鑑定士論文式試験に合格した30代前半の会社員です。大手の不動産鑑定会社への転職を希望していますが、仕事の引継ぎ等から1年程度先に転職活動をする予定です。このような場合、今の会社に勤務しながら明海大で実地演習を受けることも考えていますが、これについてアドバイスを下さい。

Ans.12

大手不動産鑑定会社の人材育成方針は、20代の若手を採用し、じっくり時間をかけて育成することが一般的です。この場合、採用年齢の上限は35歳程度となります。なお、語学、情報処理、金融技術、建築・土木、法務・会計等のいずれかの分野の専門スキルがある場合には、それほど年齢は問われないと思います。

ご年齢が、30代前半ということもあり、大手の不動産鑑定会社への転職を視野に入れる場合、早めに修習に入り不動産鑑定士資格を取得することにより、今後の選択肢を広げた方がよいと思います。

センター長、指導鑑定士が大手の不動産鑑定会社出身であるため、転職に向けての具体的なアドバイスをすることが可能です。また、多くの修了生が大手・中堅の不動産鑑定会社に転職しており、ネットワークや情報を得やすいというメリットもあります。

Q13 不動産鑑定士論文式試験に合格した者です。実地演習を開始する前に読んでおくべき書籍があれば教えて下さい。ちなみに私は不動産実務の経験はありません。

Ans.13

不動産実務のご経験がないということで、実地演習について不安に感じられていると思います。明海大学不動産研究センターでは、このような方々を対象として、『やさしい不動産鑑定評価書読本―指導鑑定士が教えるつくり方と読み方―』という書籍を、住宅新報出版より公刊しました。本書では、新米修習生と指導鑑定士との会話形式により、住宅地の更地の鑑定評価実務を体感できるようにしています。是非ご一読下さい。

以下、本書の目次となります。

序章  本書をお読みになる前に

第1章 基本的事項の確定と対象不動産の確認

第2章 地域分析

第3章 個別分析と最有効使用の判定

第4章 鑑定評価手法の適用

第5章 試算価格の調整および鑑定評価額の決定ならびに鑑定評価報告書

第6章 不動産を取り巻く最新トレンド

第7章 実務修習にかかる座談会

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Q14 私は特定の分野の深い実務経験があり、それを踏まえたかたちで、将来不動産鑑定士として、研究活動を行い、研究成果を公表したいという希望があります。そのような活動への支援を行って頂けるでしょうか。

Ans.14

当センターは実地演習以外に、産学の連携や研究活動にも力を入れています。修了生の方の研究活動への支援にも積極的に行っております。具体的には、以下のような内容が考えられます。

  • 共同での書籍の出版
  • 共同での学会報告や論文公刊
  • 当センター研究会での研究報告
  • 不動産学部授業でのゲストスピーカーとしての登壇

また、当センターは大学院不動産学研究科との連携を行い、研究・教育活動を進めています。これからは、高度専門職業人の世界では、専門学位を取得していることが当たり前になると思われます。大学院不動産学研究科に在籍しながら、当センターで実地演習を受けることも可能です。

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