2023年1月24日
不動産学部2年 髙屋敷華子

0.はじめに

今回のワークショップは、「豊かな公園の日常を考えよう」というテーマです。実際にグループ活動を通して意見を交換する初回となります。まちづくりコンサルタント「ワークヴィジョンズ」代表の西村さん、駅東担当者である田村さんが進行役となり、ワークショップは進められました。

1.ワークショップの目的

今回のワークショップの目的は、空き家が増え、人口や観光客が減少していく上山市の現状を踏まえ、どうすれば子育て世代や若者の居住を促進することができるのかを考えることです。しかし、一般的な宅地開発では、また空き家が増え続けこの現状を変えることはできません。西村さんや田村さんは、今までに見たことがない取り組み、上山市にしか出せない個性をみせることが重要であると説明していました。

2.ワークショップの実際

総勢50名程度の参加者が7班に分かれ、それぞれにテーブルコーディネーターが配属されます。班ごとで、①自分が作りたい公園の案、②住宅地のA案(線路側に緑地を作る案)B案(住宅地の間に緑地を作る案)の検討などを行いました。

①「自分が作りたい公園の案」では、まず、国内の「良い利用がなされている公園」の事例写真が数点紹介されました。続いて、かみのやま温泉駅東エリアでも「こんなことできたらいいな」と共感した場合は、事例写真の下にシールを貼っていく作業を行いました。ワークショップ全体でみると、参加者が共感する事例は、年齢層によって大きく異なっていたようです。また、紹介された事例以外でも、班ごとに「こんなことできたらいいな」の案を考えました。「バーベキューができる」、「巨大なスライダーがある」など自分では考えもしなかったユニークな案がたくさん出されていました。「他の地域とは別世界にすること」、「単なるキレイ、遊びやすいではなく、他の住宅地との差別化を図ること」これらが重要であることを再認識しました。

②「二つの住宅地の案を検討する」では、当初、単にA案とB案、どちらがいいのかを検討するのかと思いました。しかし、実際には、それぞれの案のいいところや、こうしたらもっと良くなるというアイデアを考えることがテーマでした。私の班は、2つの案に対して偏りなく意見が出ました。また、建築士の方が雪除けのしやすさの面でそれぞれの案を検討しており、なるほどと思いました。 全体発表が終ると、A案とB案、参加者全体でどちらを支持する人が多いかを知るため、挙手を求めた人がいました。しかし、市役所の担当者は「この段階でどちらかに決めることが目標ではなく、このワークショップのねらいはA案とB案の二つの良いところや悪いところを踏まえてC案を作ることにある」と答えていました。そのような考えをしていなかったので驚くとともに、その考え方に強く共感することができました。

3.考察

司会者が一方的に話すのではなく、参加者が自由に意見を出し合い、お互いの理解を深めあったりすることができた。今までの宅地開発ではなくこれまでに見たことがない、ここにしかないものを作ることにこだわりを持っていた理由がわかった。また、成功している事例を通して、公園は町の価値を上げる武器であることが分かった。住民同士や近隣の学生、市役所の方、子育てをしている人、みんなが一緒に考え、事業に関わり活躍することを通じて、これまでとは違った、実際に住む人が過ごしたくなる街を作ることができると感じた。