私たちのくらしにおいて不動産とは一般に、土地と建物をさします。生活のベースである住宅も、仕事に不可分の事務所も、余暇を楽しむ店舗も、さらには、通勤通学に利用する交通施設も、不動産といえるのです。私たちはくらしの中で不動産に接していない瞬間はほとんどないばかりでなく、毎日何回も、何十回も異なる不動産を”着替えて”利用します。幸福な国民生活は、適時適切に不動産を利用できる社会を背景としていることは間違いありません。不動産学の研究をその成果を社会で実践する人材育成は国民生活の向上のために不可欠です。
不動産学は、土地、建物、地域、環境などくらしに密着したテーマを主題として、法学、経済学、工学、経営学などの成果を学際的に深化・統合するものです。一方で、日常の経済社会で発現する日々新しい課題に解決の糸口を見出すことも不動産学の使命です。明海大学不動産研究センターは、不動産学の確立を目指すわが国唯一の不動産学部を補完し、不動産学研究の成果を応用した社会的課題解決、フロンティア領域の開発、ならびに、高度専門職業家の育成を担っています。
社会の変容が速く、大きくなり、従来の経験則の応用だけでは解決が困難な課題が増えています。このような時代にこそ、ゆるぎない学問と人材の存在が求められます。明海大学不動産学部と明海大学不動産研究センターはその要請にこたえる役割を果たしてまいります。