– 53 –2)大分県日田市のドローン映像の活用①情報提供者(空き家バンク)空き家バンクに360度カメラ映像によるバーチャル内見を導入済みの日田市役所にヒアリングした。登録は市で行うが、360度カメラ撮影はNPO法人リエラに委託する。バーチャル内見の導入は所有者の希望による。バーチャル内見導入で実際の内見は減り、バーチャル内見が購入者、賃貸人の絞り込みに役立っている。他方、契約件数はあまり変わらない。市のコスト削減、内見の省力化に有効だが、購入希望者は内見に来ることに変わりはない。②情報利用者(移住者)上記①を利用した空き家購入者にヒアリングした。築53年の空き家を改装し、住宅兼用のハンバーガーショップを開業した。物件選びは築年数、水栓トイレ、駐車場に着目した。空き家バンク情報は有用だったが、地域のつながりやルールまではわからず、地域コミュニテイに入れるか不安が残った。(4)不動産事業者へのアンケート調査全日本不動産協会千葉県本部会員26名に協力しいただき、2024年1月16日(木)に対面配布、直接回収で実施した。回答に先立ち(2)2)で生成した動画を視聴していただいた。ドローン・360度カメラ映像それぞれの有用性について、売買媒介、賃貸媒介、不動産管理、所有者説明、不動産業者内打合せでの利用、集客への効果についてはとても高い有用性があることが示された。他方、価格や賃料、成約までの期間への影響は明らかにならなかった。また、導入は進んでおらず、導入しない理由として人材がいないことが最も多く挙げられた。主な参考文献1 ドローン操縦士免許学科試験的中問題集Ohmsha 野波 健蔵[監修] 佐藤 靖[著]2 国土交通省 事故・重大インシデントについて写真1 空き家の屋根2)実用を前提とした映像の撮影大分県玖珠町で、戸建て住宅(空き家)とその敷地2箇所を対象に、空き家の紹介等で実用することを前提とした撮影実証を行った(2024年9月20日(金)・21日(土))。室内はドローンが不向きであることから、360度カメラの画像を使用し、バーチャルツアーを作成した。周辺に住居や小学校がある住宅では、プライバシーの観点から周辺映像は撮影できなかった(写真2)。写真2 玖珠町お試し暮らし住宅の外観周辺が河川、庭の住宅では、周囲も撮影できた(写真3)。これらの映像はバーチャルツアーとともに玖珠町空き家バンクに掲載して、その効果を検証する予定で、HPへの掲載を調整中である。(3)ヒアリング調査1)長野県長野市のドローン活用事業希少生物等の環境調査、測量、免許スクールなどのドローン事業を行う株式会社ラポーザの荒井氏にビジネスと課題をヒアリングした。入れない所や見えない所の情報を瞬時に得られる長所の一方、上空飛行のリスク、天候に左右され雨天・強風時は飛行できない短所がある。周辺からの苦情を防ぐため回覧板や簡易な看板で対処する、ビプスやヘルメットを用い一目で業者とわかる対策も必要である。写真3 玖珠町戸畑地区の住宅外観 htpps://www.mlit.go.jp
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