– 51 –00.0250.0500.0250.05年92年72年52年32年12年91年71年51年31年11年9年7年5年3年1面積加重平均[W/(㎡*K)]2.83221.21520.9157熱貫流量[W]163.134769.995552.7443参考文献一覧1.国土交通省「建築物ストック統計法人等の非住宅建築物延Buildings」,最終閲覧日:2024年12月10日ロックウール厚さ[m]べ床面積(竣工年代・構造・使途別)」,2018年9月28日2.清家 剛,青木 茂,リファイニング建築賃貸住宅既存躯体再利用により建替えと比較しCO2排出量▲72%~東京大学との共同研究により判明~,三井不動産株式会社,2021年9月22日3.World Business Council for Sustainable Development (WBCSD),「Net-zero buildings Where do we stand?」,2021年7月8日4.立石正則,柴田奈央,大浦悠都,BIMを用いた建物の価値評価に係る一考察,不動産研究,63巻1号,2021年1月,pp.34-435.田原 広大,堀田 智樹,中島 裕輔,田村 雅紀,断熱材を組み込んだ乾式タイル工法を用いたマンション断熱改修工事の長期的CO2排出量評価に関する研究,日本建築学会大会学術講演梗概集(近畿),2023年9月,pp.2349-23506.高根 裕貴,西川 嘉雄,山下 恭弘,高倉 史洋,石丸 岳史,外断熱RC集合住宅の長期計測その1温熱性能の確認と経年変化,日本建築学会大会学術講演梗概集(近畿),2014年9月,p111-1127.田仲 浩介,朴 智秀,鄭 新源,川瀬 貴晴,小坂 千里,環境モデルビルにおける省CO2技術と環境性能評価その2温熱環境評価,日本建築学会大会学術講演梗概集(近畿),2014年9月,pp.1433-14348.横山 智恵,絵内 正道,羽山 広文,森 太郎,外断熱改修によるRC造建物の温熱環境改善効果,日本建築学会北海道支部研究報告集,75巻,2002年6月,pp.163-1669.新日軽,「1990ビル建材総合カタログ」,日本軽金属株式会社,1990年https://www.permarock.com/contentfiles/686.pdf?wt=17:00:4210.一般財団法人住宅・建築SDGs推進センター「住宅の省エネルギー基準」,最終閲覧日:2025年1月20日https://www.ibecs.or.jp/ee_standard/build_standard.html11.日本産業標準調査会,日本産業規格JIS A 4706,最終改正年月日2021年2月22日12.国立環境研究所,日本の温室効果ガス排出量データ,最終閲覧日2024年12月11日https://www.nies.go.jp/gio/archive/ghgdata/index.html13.国土交通省,建築物のライフサイクルカーボン削減に向けた取組,2024年11月11日14.国土交通省気象庁,過去の気象データ検索,最終閲覧2024年12月10日https://www.data.jma.go.jp/obd/stats/etrn/15.Permarock,「Proven Cladding Systems for High Rise 熱貫流量[W]147.21454.080636.8294表2 開口部変更時外壁面熱流率及び一室の熱貫流量推定値表壁熱還流率[W/(㎡*K)]2.85920.90540.5435開口部熱還流率[W/(㎡*K)]2.70272.70272.7027改修後 改修後差分累計開口部熱還流率[W/(㎡*K)]1.11.11.1面積加重平均[W/(㎡*K)]2.55580.93890.6394断熱材25mm 総炭素数及び稼働時の炭素排出量700.00500.00300.00100.00-100.00-300.00-500.00既存図4 断熱材25mm総炭素数及び稼働時の炭素排出量表1 外壁面熱流率及び一室の熱貫流量推定値表ロックウール厚さ[m]壁熱還流率[W/(㎡*K)]2.85920.90540.54353.2改修のシミュレーション結果上記の温度環境の分析から屋根面の断熱性能が低いことが確認されたものの、8階の天井面にて断熱がなされていることが確認できたことから今回は屋根面の断熱改修は想定しないものとした。開口部については設置されていた窓の性能が現行のものと差が少なかったことから現行のJIS断熱性能評価の等級の内最も高い1.1W/(㎡*K)を導入した場合の炭素削減量を参考のためシミュレーションした。ただし、既存の開口部が劣化し発揮できていない可能性は十分あるため実際の改修においては開口部の改修も検討が必要と考える。3.2.1炭素排出量の比較・既存建物の炭素保有量:686,725.69kgCO₂e・断熱材25mm追加後の炭素保有量:1,138,895.23kgCO₂e追加した断熱材により増加した炭素量は441,523.13kgCO₂eであるが、年間削減量27,003.2kgCO₂eにより、約17年で改修による炭素排出量を相殺できる。 変更した開口部により増加した炭素量は30,279.02kgCO₂eであるが、年間削減量695.78kgCO₂eにより、約44年で改修による炭素排出量を相殺できる。3.2.2熱貫流率の比較断熱材25mm追加により、一室における外壁の熱貫流量が約3分の1に低減され、温熱環境の改善が期待できる。窓を変更した場合の効果は少なかった。本研究では、窓の交換を想定したが、開口部の変更については窓の限らず、日射による熱負荷の低減の手法として屋外にルバーの設置をする等、費用対効果も高い手段も想定することができたと考えられる。4.結論本研究では、築30年程度のオフィスビルの断熱改修による環境負荷削減効果を分析した。BIMを活用したシミュレーションの結果、断熱材の追加による炭素排出量の増加はあったものの、長期的には排出量削減に貢献することが示された。また、断熱改修により熱貫流率が低減し、温熱環境の向上が期待できる。この研究の結果は、今後のオフィスビル改修の方針決定に寄与し、持続可能な建築環境の実現に貢献すると考えられる。
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