– 50 –81-8081-8071-8071-8061-8061-8051-8051-8041-8041-8031-8031-8021-8021-8011-8011-8090-8090-8054:3203:2251:1200:0254:8103:7151:6100:5154:3103:2151:1100:0154:8003:7051:6000:5054:3003:2051:1000:0081-8081-8071-8071-8061-8061-8051-8051-8041-8041-8031-8031-8021-8021-8011-8011-8001-8001-8090-8090-80指導教員:前島 彩子 氏名 坂倉 杏太朗図1 中央壁面温度階層別比較6階 建物中央壁面(6) 図2 6階中央・講義棟・体育館温度比較図3 北東外壁室内屋外温度比較8/9同じ変化を示した。一方、8階は9階より2~8度低く、温度変化も小さく、天井の断熱が十分と考えられる。②ペリメーターゾーンの温度変化が大きい:開口部周辺は温度変化が大きく、断熱性能が低い。中央部の気温差1.1度に対し、外壁側は4.5度。③外壁の断熱性能が低い:外壁に断熱材がなく断熱性は低いと推定された。6階北東側外壁で屋内外の温度差10.5度を確認したが、内部の温度が参考の外気温の数値を超えている点も確認した。6階 建物中央壁面(6)9階 建物中央床面(17)廊下温度 階層別比較[℃] 6階中央・講義棟・体育館温度比較[℃] 北東外壁室内屋外温度比較8/9[℃]6階 北東側外壁室内(7) 504540353025 20 50403020504030204階 建物中央壁面(2) 8階 建物中央壁面(10) 気温0011--8800築30年オフィスビル断熱改修における環境負荷削減効果の検討~温度計測とBIMを活用~1.はじめに1.1問題の背景建築物のライフサイクル全体におけるCO₂排出削減は、持続可能な社会を構築する上で重要な課題であり、現在日本においては削減に向けてCO₂排出量基準の設定や算定方法の提供などが行われている。一方、現在昭和後期から平成初期にかけて建設された多くのオフィスビルが新耐震基準等を満たしているものの性能が陳腐化し、更新を必要としていると考えられる。国土交通省の統計によると、築30年程度の非木造の事務所・店舗は2018年時点で約1,931万㎡の延べ床面積が確認されている。1.2目的本研究の目的は、築30年程度の中小オフィスビルの温熱環境を明らかにし、断熱改修を施した場合の、環境負荷削減の有効性を定量的に示すことである。また、似た状況下にあると推定される同時代のビルの量から、日本全体への適用可能性を検討し、環境負荷削減効果がどの程度見込まれるかについて考察し、参考となる知見を得ることを目指す。2.研究方法2.1調査の位置づけ本研究は、オフィスビルの断熱改修に関する研究の一環として、温度計測とBIMによるシミュレーションを組み合わせた手法を用いる。特に、改修による環境負荷削減効果を数値的に評価することを目的とする。2.2調査方法対象とする建物は、築年数30年程度で、9階建てと中小規模のオフィスの躯体や求められる室内環境等と近しい部分が多いとみられる、明海大学浦安キャンパス不動産棟とした。調査方法は以下の通りである。・温度計測:データロガー(Elitech Data Logger RC-5)を建物内外に23台設置し、1分間隔で温度データを取得した。使用者が少ない期間を対象とし、躯体の断熱性能の把握を目的とする。・BIMモデルの作成:竣工図面を参照し、Autodesk Revitを用いて既存建物のBIMモデルを作成し、断熱改修前後のシミュレーションを実施した。今回のシミュレーションでは躯体の断熱性能を主に分析するため機械設備等はBIMに含まなかった。・改修のシミュレーション:外壁の断熱改修を想定し、断熱材(ロックウール25mm・50mm)の追加による炭素排出量および熱貫流率の変化を分析した。3.結果3.1調査結果温度計測の結果、以下の3つの課題が確認された。①屋根面の断熱性が低い:9階は断熱性が低く気温と
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