– 33 –青青森森駅駅周周辺辺のの3つつのの大大型型商商業業施施設設【木更津市と青森市の比較】青森市従来:駅を中心とした街の構造駅前の再開発:失敗3つの大型商業施設を軸とした不動産市場、まちの構造に変化木更津市従来:駅を中心とした街の構造駅前の再開発:実施中アクアライン開通(≒通行料金の値下げ)による交通利便性の改善高速バス停・アピタ線・高速道路へのアクセス性が重視されている4.1事例紹介~青森市の取り組み~4.2青森市の実証分析の紹介5.まとめ~アンケート結果&青森市と木更津市の比較~【考察】青森市の事例は、駅前再開発の困難性を示唆している。また、木更津市を対象とした各種分析結果も、高速道路ありきで不動産市場および人口移動が生じていることを示している。木更津市の街づくりは、高速道路との接続性を重視した形での開発・整備を行うべきだと考えられる。●青森市:2001年に青森駅から徒歩3分の場所に商業施設アウガを建設した●空洞化した中心市街地に賑わいをもたらす「コンパクトシティ」構想に基づいた施設であり、コンパクトシティの象徴としての位置づけ。●しかし、当初こそ賑わいを見せたが、その後の経営状況は厳しく、2016年に経営破綻。●今ではほぼ全てのテナントが撤退し、庁舎など公共施設を中心とした行政施設となっている●元々、青森駅周辺には3つの大型商業施設が存在しており、青森駅に行かなくても生活ができる地域構造である。【分析内容】青森市の住宅取引情報を利用して、大型ショッピングモール周辺の住宅価格と青森駅周辺の住宅価格を比較【分析結果(住宅価格)】•青森駅から遠ざかると住宅価格が上昇•商業施設から遠ざかると住宅価格が下落⇒ 青森市の街は駅前(=旧中心市街地)ではなく、複数の商業施設を中心とした構造である【考察】ワンスポットでの消費活動が可能な大型ショッピングモールを中心とした不動産需要が生じ、街の構造が変化していると考えられる【アンケート結果】高速道路とJR木更津駅前のいずれが重要であるか?という設問をベースに様々なクロス集計を行ったところ、6割強の人々は高速道路を重視していることが示された。この結果は、転入してきた人々の多くがJR木更津駅前でなく、交通利便性の高い高速道路近辺を重視して居住地選択をしているものと考えられる。
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