2024年度 明海大学 不動産学部 学生取組成果報告集
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– 18 –3-1.西山亜蘭さんの成果吉田 卓也 斯波 尚哉3-4.石橋太郎さんの成果石橋 太郎新井 航祐 石橋さんが選んだ研究テーマは、「法定地上権の成立条件」である。法定地上権は、土地と建物を別個の不動産として取り扱う日本の制度に配慮した制度で、競売等の際に、土地・建物が異なる所有者になる場合の調整機能を果たす。この研究では、複数の判例を分析することにより、法定地上権が成立しない要件を整理し、不動産ビジネスのリスク回避のあり方を示した。3-5.原田育典さんの成果原田さんが選んだ研究テーマは、「相続の進展が不動産市場に与える影響」である。高齢化社会の進展に伴い、不動産の相続も増大する傾向にある。これらの現象が、不動産市場に与えるプラスの影響とマイナスの影響を整理したうえで、相続不動産ビジネスに関与する各種の高度専門職業人の役割にも言及した。3-6.斯波尚哉さんの成果斯波さんが選んだ研究テーマは、「映画館経営の年代比較の分析と今後の展望」である。映画館を娯楽施設として「経営と不動産」という視点から分析した。1980年代から現在までの映画館ビジネスの発展過程に着目することにより、現在の直面する課題を整理し、将来展望を行った。以上のとおり、本ゼミでは、学生の関心や将来の希望進路に寄り添い、情報収集・分析、レポート作成、プレゼン等の力をつけるよう活動を行っている。西山 亜蘭 原田 育典 1.ゼミの概要本ゼミの目的は、将来のビジネスパーソンとして不可欠となる「会計」「経営分析」の基礎を確かにし、それを踏まえたうえで、不動産と経営・会計に関するテーマを選び、掘り下げた学びを行っている。2.1年間の取組み内容前学期は、主として「会計」「経営分析」の基礎固めを行う。標準的な経営分析のテキストの輪読や新聞記事を活用し、企業が開示する会計情報の意味を読み取る訓練を行う。後学期は、前学期の学びを踏まえたうえで、ゼミ参加者が関心のあるテーマを選び、さまざまな調査を行い、その結果をレポートにまとめてもらう。テーマの選択は自由だが、「経営」、「会計」、「企業不動産」のいずれかに、少しでも関連しているものが想定される。また、まとめたレポートを適宜発表してもらい、プレゼンの力をつけることも重視している。3.得られた知見(成果)2024年度のゼミ生6名の研究概要を紹介する。西山さんの選んだ研究テーマは、「アウトレットの進化と将来」である。現在のアウトレットがなぜ、発展しているのかについて分析を行い、今後の成長のための条件について、知見を整理した。3-2.吉田卓也さんの成果吉田さんの選んだ研究テーマは、「土壌汚染と不動産取引」である。土壌汚染が不動産取引に対して、どのような阻害要因があるのかを抽出した。そして、大都市と地方都では、土壌汚染の影響度にどのような違いが認められるのか、ケーススタディに基づき分析を行った。3-3.新井航祐さんの成果新井さんの選んだ研究テーマは、「抵当権の物上代位」である。物上代位の効果が賃料債権に及ぶかどうかの判断は、不動産ビジネスのあり方に影響を与える場合がある。これについて、複数の判例を分析することにより、知見の整理を行った。山本卓ゼミ:不動産と経営

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