– 16 –指導教員:藤木 亮介写真1 旧金田公民館調査写真2 ゼミ合宿吉田 桃々 (2)吉田桃々:旧金田公民館の建物劣化調査報告市が保有する資料から、旧金田公民館の立地条件や耐震性に関わる情報を整理した。そのうえで、詳細な建物調査を行い、その結果をまとめていった。建物調査においては目視調査のみならず、打診調査や防水層の膜厚調査を行い、劣化状態や劣化要因を確認していった。また、劣化位置の特定を試み、劣化調査図を作成した。さらには、これらの劣化を改修するための工事仕様の提案を行った。(3)細杉れいみ:旧金田公民館の活用提案旧金田公民館が建つ中島地区、ならびにその周辺のまちの状況を調査した。その結果、中島地区には旧耐震と思われる古い建物が多いことがわかった。そこで、旧金田公民館の利活用方法として、憩いの場である「岩盤浴施設」+「防災拠点」とする計画を提案した。提案資料の作成にあたっては、平面プランの検討のみならず、外観パースや断面パース、各所のイメージスケッチなどを作成し、より具体的な空間イメージができるようにした。上記(1)(2)(3)の成果は、いずれもA1判ポスター(2~4枚)に、それぞれまとめた。鈴木 欧介 1.活動の方針藤木ゼミの2024年度のテーマは、「既存建築物の維持管理と利活用提案」とした。各学生の取り組み内容は、以下のとおりである。・鈴木欧介 :自宅の維持と管理・吉田桃々 :旧金田公民館の建物劣化調査報告・細杉れいみ:旧金田公民館の活用提案鈴木さんは、自宅の劣化状況を調べたうえで改修費用を算出し、今後の維持管理の方針を提案した。また、吉田さんと細杉さんは、木更津市に建つ旧金田公民館を対象として活動をした。旧金田公民館は市所有の今は使われていない建物である。建物の劣化状況だけでなく、周辺のまちの状況を調べ、利活用の方法を提案した。2.年間スケジュール4月:まずはフィールドワークの方法などを学修した。大学の校舎を対象とした劣化調査や、校内の東屋を使った実測調査を行い、フィールドワークに必要な基礎的なスキルを身に付けていった。6月:それぞれの学生がそれぞれ対象とする建物を実際に調査し、具体的な検討を進めた。8月:大学の勝浦セミナーハウスを利用してゼミ合宿を行い、調査結果のまとめや今後の作業方針を確認した。また、11月3・4日に行われる学園祭での発表に向けて、準備を進めることにした。11月:学園祭で他のゼミなどと合同のポスターセッションを行い、ここまでの成果を発表した。1月:最終成果物をまとめた。3.成果(1)鈴木欧介:自宅の維持と管理まずは自宅の立地条件の整理から始めた。用途地域や建蔽率・容積率などを調べ、自宅が建つ敷地の諸条件を確認していった。そのうえで、新築時の設計図から耐震壁の位置や耐震性の確認をした。建物の目視調査を行った結果、劣化も少なく非常に良好に維持管理できていることが確認された。しかし、数十年先には外壁や屋根などの改修が必要になる。そこで、改修費用を算出し、今後の維持管理に資する資料をまとめていった。細杉 れいみ 藤木亮介ゼミ:既存建築物の維持管理と利活用提案
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