2024年度 明海大学 不動産学部 学生取組成果報告集
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– 153 –http://kozoh55.blog.fc2.com/blog-entry-250.html浦安の漁家 : 旧大塚家住宅修理工事報告書旧旧大大塚塚家家住住宅宅【【外外構構のの撮撮影影風風景景】】360度カメラによるVRは、モデリングする際にAIがアップロードした画像に自動的に特徴を見つけてつなぎ合わせてくれるので便利。一方で、本来とは座標が違う位置に写真が繋ぎあおうとすることが多々あった。照明が無く暗い部分、似た間取りの特徴を持つ写真や外周部で建物の角度が変わる隅部、撮影高さが変化する部分、屋内と屋外等、光に違いがある場合、奥行きをAIが正確にモデル認識することが比較的難しいことが確認できた。撮影後のモデル修正が効かない為、大規模あるいは複雑な建物のときは手間がかかり、難しいと思った。解決策としては2,3枚ずつ同じ部屋の写真をアップロードすることで比較的正しくモデリングすることができた。屋外と屋内の境界部分は複数の写真を用意することやちゃんと建物が写っているかや何ヶ所も撮ることによってもっと改善できる可能性がある。一方で、細かいところを写真に撮り繋げようとすると、同じような景色なので、画像からその部分を探すのがとても大変だし、AI側で迷うことも考えられる。VRは360度をどの角度からも見ることができることが特徴であり、動かしたり全体像を把握しながらみることができた。そのため、ただの写真ではイメージがしにくいところが実際に見に行っているようにわかりやすくなるが特徴だと感じた。人の視線では気付かなかった部分まで写真に収めることで確認できるのが良いのだが、写真に写らない部分はすぐ手前のものも確認できない。また、普通の写真よりは画質は落ちてしまう。欠込みのくぼみを左右端で 上下反対にすることで四辺 を通して構造が安定的に なっていた。欠欠込込みみ◎片方の木材を削ってくぼみを作り、 もう一方の木材をくぼみにはめ込み 安定させる技法を欠込みという。◎旧大塚家には軒桁などに使われており、頑丈なたてものという印象を持った。模型を作ってみてぴったりはまるくぼみを掘れた時が一番達成感があった。撮撮影影位位置置安藤侍恩(代),池本理貢(旧), 遠藤元(旧), 倉島諒大(代), 桑原里沙(旧), 坂倉杏太朗(代),嶋田敬人(代),下妻桃々(旧), 新本遥(旧), 萩原亜美(代), 藤代志龍(代), 星ひかり(代)建建物物のの概概要要旧大塚家は、漁業と農業を営み浦安では比較的大きな規模の住宅である。建築構造と様式の特徴などから江戸時代末期の建築と推定されている。間取りは中央に大きな居間があり、境川に近い方に土間がある。この住宅の特徴は、屋根裏2階を設け度重なる洪水の際に家財道具などをしまう工夫がなされていたり、神棚と仏壇が一緒に設けられている。建物周辺の庭に細かく砕かれた貝殻が防犯目的で取り付けられている。昭和62年、市の有形文化財に、平成14年には、県の有形文化財に指定された。強強風風対対策策◎太さや長さの違う木材を使ってい たが、その中でも一番目立つ丸太が ある。浦安は海が近いので強風対策 として強度を上げるために使用して いる。苦労した点としては、寸法がメートル法ではなく尺貫法で設計図が書かれていたため、慣れない変換が大変だった。母屋と垂木が設計図通りに制作したはずがズレが生じてしまった。原因としては柱などの小さなズレが大きなズレを生じるようになってしまったと考えられる。【【室室内内のの撮撮影影風風景景】】部部材材構構成成でで気気づづいいたた点点土土台台のの礎礎石石礎石は大小さまざまであったが、部 材が多く交わり重さがかかるところ は比較的大きい礎石になっていた。 荷重を考えた基礎を感じることがで きた。また、土台と柱の部材が同じ大きさではなく、土台の方が太い部材が使われていた。他にも梁などもスパンが広い場所でも耐えられるように太い建材が使われていた。デデジジタタルルツツイインン360度カメラを用いて、 【外構】と【室内】、2つのデジタルモデルを作成した。作成過程を通して、デジタルツインをたちあげることの容易さ・困難さを体験したうえで、文献資料、現地見学時の写真、製作した模型等にもとづく情報と組み合わせ、利用の展開についてイメージをもった。2023年度前島ゼミ(模型製作を担当した建物)

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