2024年度不動産学部年報
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― 34 ―研 究 者山本卓研究題目環境不動産の保有・賃借を反映させた企業不動産マネジメント手法の開発助成機関日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C)研究期間2021-2024研究課題の近年、ESG 経営の重要性が浸透しており、その促進には企業活動の重要な経営資概要源である不動産の果たす役割は大きい。本研究では、企業価値に影響を与える不動産環境ファクター全般についての基礎的検証を行った上で、環境不動産の一類型である高環境性能事務所ビルに着目し、それを保有・賃借することが企業価値にどのような影響を与えるのかを中心的に分析した。この検証結果を、申請者が開発してきた CRE のためのプラットホームに組み込み、より持続可能性が高い経営を実現させるための新しい CRE モデルを開発した。研 究 者藤木亮介研究題目高経年マンションにおける「一棟再生」実施手法の開発助成機関日本学術振興会 基盤研究(C)(一般)研究期間2021-2024研究課題のマンションの抜本的再生手法として、「一棟再生」の実施手法を構築した。一棟再概要生には専有部分の再生工事は含まない。しかし、共用部分は新築マンションと同水準まで住環境や建物価値を引き上げることを想定する。一棟再生を円滑に実施するためには、超長期修繕計画を策定し、工事を2期(足掛かり工事・本格工事)に分けることが有効である。こうすることで、資金調達がしやすくなる。また、足掛かり工事の計画時には、一棟再生推進決議、あるいはそれに類する決議を行い、合意形成の円滑化を図ることが重要である。ここで明らかにした一棟再生実施手法は、今後も増え続ける高経年マンションの新たな再生手法として、広く活用できるものと言える。

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