2024年度不動産学部年報

10/64

― 6 ―著　　者 松永力也、山本卓タイトル 遺産分割におけるマンションへの配偶者居住権設定と配偶者の保護―都市型住宅における分割損失の認識と高度専門職業人の善管注意義務―媒　　体 『都市住宅学』117・118号 ,…72－79（2024.10）要　　約 これまで、遺産分割に際して新たに配偶者居住権が設定されると、時には、配偶者居住権設定前に比較して、遺産総額が下落する額を、「分割損失」と呼び、我々は特に一般戸建住宅についてこれまで明らかにしてきた。今回は、遺産総額下落をもたらすこの分割損失について、具体的な「マンション」という都市型住宅の形態にスポットを当て不動産鑑定評価し考察した。高度専門職業人は、このような評価の動きに注意し専門的判断を行う義務がある。著　　者 原野啓、尹笙安タイトル 狭隘道路による空間的外部費用に関する推定媒　　体 公益社団法人…土木学会『第70回土木計画学研究発表会・講演集』,…2024.11要　　約 日本の人口集中地区では、密集市街地がいまだに多く存在しており、地震等の災害時に経済的損失をもたらすリスクがある。災害時の危険性は、住宅が接道している道路が狭隘道路であるか否かのみならず、住宅周辺の道路状況によっても大きく変化することが想定される。本研究では、住宅の接道状況及び住宅周辺の狭隘道路の割合が住宅取引価格に及ぼす影響について実証的に分析を行うものである。分析の結果、接道状況、狭隘道路との接道有無，及び周辺の狭隘道路割合によって、住宅価格が変動することが明らかとなった。