博士(工学)

略歴

横浜生まれ。
東京工業大学工学部建築学科卒業、同大学院理工学研究科修了。
1991年同社会工学科助手。
1996年から明海大学不動産学部に勤務。
2001年から同大学院不動産学研究科兼担。

専門分野

都市空間設計、都市解析

担当科目

建築一般構造論、不動産学のための数学と統計、建築環境計画、建築設備、まちづくり演習
都市空間デザイン特論、環境分析特講、不動産研究方法論、不動産数理の基礎演習など

研究テーマ

まちなみの「予報」の技術を目指して研究しています。
今ある街並みが出来上がるメカニズムを地理情報からモデル化することや、それを使って将来の街並みを描く方法を研究しています。

研究業績

不動産学の新展開(共著 第5章:「建物の隣棟間隔、後退距離に基づく街区内建物配置の予測 不確実な市街地像の表現方法」担当,日本評論社, 2022.4

アクセシビリティ、独立性、最短路の分布による建物出現位置の予測 -典型的な街区における建物配置のロジスティック回帰分析-, 都市計画論文集, vol.46, no.3, pp397-402, 2011

教育・研究利用のための街区形状モデリングツールの開発, 不動産学部論集, vol.16, pp54-68, 2008

街区パタンと市街地形状における格子の効果 -建物の隣接関係の都市空間への影響の研究-, 都市計画論文集, no39-3,pp847-852,2004

道路網の効率性と街路街区パタン -建物の配置による街区形成シミュレーション手法の検討- ,日本都市計画学会学術研究論文集, 第37号,pp85-90,2002

配置構成による建物の独立性 -浦安市市街地を事例とした近接する建物の数、距離、規模の分析-,日本都市計画学会学術研究論文集,第34号,pp649-654,1999

進行中の研究

基盤地図情報を活用した地区レベルの都市空間要素の配置シミュレーション手法の構築(2019~)
本研究は「まちなみの予報システム」を目指す技術提案を行うものである。正確な街の姿を描くことを目指すのではなく、あり得る街の姿をたくさん描くことから、将来のまちの姿を不確かなままに示そうとするところに特徴がある。
2021年度までに、市街地の現状の配置における隣棟間隔の分布、道路からの後退距離の分布に基づくランダム配置を行うプログラムを開発した。最終年度の2022年度は同プログラムを、処理能力を高めるため分散処理に対応できるよう開発を行っている。(本研究はJSPS科研費JP19K04775の助成を受けている。)

期待建築線図例(道路からの後退距離、隣棟間隔の期待値(実線)、標準偏差(点線)による配置の予報図。 国土地理院の基盤地図情報の建築外周線、道路縁データを基に作成)

隣棟間隔、後退距離の分布に基づく街区内の建物ランダム配置の例(実線は現状の配置、点線は期待建築線図に基づくランダム配置。国土地理院の基盤地図情報の建築物の外周線、道路縁データを基に作成)

「不動産学研究」(ゼミ)講義内容・卒業論文

3年生の不動産学研究のゼミでは、ゼミ生で相談して、どこかの具体的な街を選び、その歴史や計画上の目標などを調べ、現地での見学、調査をすることから問題発見や魅力発見をします。

並行してプログラム言語を学習します。ホームページに使われる JavaScript を学びます。

4年生の卒業論文のゼミでは、3年次に取り組んだ課題から研究テーマを発見してもらいます。これまでの研究を整理し、明確な方法、資料によって、取り組んだテーマについて発見、問題提起をしてもらいます。

また卒業設計に取り組む場合は、3年次に学んだことを発展させ、自分で選んだ場所にふさわしい新たな建築、あるいは、これからの社会にふさわしい建築の新しい役割、姿を提案してもらいます。

斎藤ゼミ2023年夏季休暇中 佐原のまちなみの見学、テーマ探し


2020年、2021年は、ゼミでそろっての見学、現地調査は見送りました。各自選定した地区に見学、調査をしてもらうようにし、JavaScriptの学習成果を生かした空間分析を行いました。2022年は、埼玉県川越市の蔵の街、神奈川県横浜市のみなとみらい地区、関内地区の見学に出かけています。撮影した写真を可視範囲から分析し、まち並みの特徴を考察しました。
2023年は、香取市佐原を訪問し、テーマ探しをしました。今年度は、JavaScriptの3Dデータのライブラリを用いて、町家の屋根のモデリングに取り組むことにしています。

E-mail

csaito@meikai.ac.jp

学生へのひと言

いろいろな建物、いろいろな街を、たくさん、学生時代に実際に訪ねてみてください。写真をとったり、絵が好きならスケッチをしたりして、まちなみに対する自分なりの趣味を育ててください。